〜エースと呼ばれた男〜
蚊について
■高高度強襲
本日午後未明、鉄壁と呼ばれる防空体制を突破した一匹の蚊が、 勉強中のCASTER氏の額に刺入することに成功した。 政府はこの事態を重く受け止め、ステロイド塗布するとともに、 今後このようなことが起きないようにしたい、との声明を発表した。 (共同)
上の事態を読んでわかるように、蚊の行動はすさまじい。
人間の五感のうち、最たるものともいえる視覚、その視覚が交わる
額に刺入を成功させるとは。
この蚊はエースの中のエースである。
■雨の中の蚊
今日の徳島は雨だった。
さて、蚊に刺された額を気にしながら帰っていると、ふと思ったのだ。
蚊にとって、この雨とはまさに脅威なのではないだろうか?
彼らがこの雨の中を飛行することは可能なのだろうか?
雨の速度はおそらく一定である。
高高度より自由落下する物体が、すべて同じ速度になることは、
高校物理のレベルでわかるはずだ。
しかし、その速度は早い。
計算するのも調べるのもめんどいが、雨の速度を見ている限り、
ごつい速度であることに間違いはなかろう。
一匹の蚊がこの4車線道路を横断することは可能だろうか?
いや無理だろう。
おそらく対岸へたどり着く前に雨粒に押しつぶされる。
では100匹の編隊を組んだ蚊ならどうか?!
友人は1匹は最低たどり着くだろう、と予測した。
CASTERは道の半分もいかないうちに全滅すると考える。
最終的に1万匹いればいける、との考えで合意した。
蚊の数、雨量、車道の幅、蚊の恐怖心、蚊の愛国心、蚊分隊長の指揮能力、
蚊指令官の統率力、蚊兵の訓練度と士気。
以上を考慮すれば、1万匹あれば対岸までいける。
途中の行程はまさに「血のオマハ」に勝るとも劣らない行程となろう。
「隊長!無理です!」
「ここにいても死ぬだけだぞ!」
「ギャー!」
「少尉?!少尉が雨粒に!!!」
「ええい止まるな!飛ぶんだー!!」
蚊の世界は厳しい。