〜その5 MOHAAにおける銃撃戦と人数比〜

MOHAAのマルチ対戦における人数比は、そのラウンドにおける勝敗と戦力比、戦術決定、個人個人の役割を根本から決定する。

今日は慣れ親しんだMOHAAを舞台に、人数比からマルチ対戦を考察してみようと思う。



■銃撃戦における人数比

銃撃戦における人数比は戦闘の結果に大きく作用する。
基本はランチェスター公式である。
以下のHPを参照してもらえればわかりやすいかと思い、引用しておこう。
http://www.bekkoame.ne.jp/~bandaru/deta02p1.htm
http://www.geocities.jp/hideohara777/kr/kr6.html


つまり、5人vs4人の戦闘となった場合、
1)刀対刀、槍対槍、など接近戦用の武器を使った戦いでは5−4=1人しか生き残れないのに対して、
2)銃撃戦においては、√(5x5−4x4)=3人と、数において優勢な軍のほうが圧倒的に優位で戦闘を進めることが可能なのである。

この公式を考えれば、1人の人数比がいかに戦闘の勝敗に関与するかわかるだろう。
ではこの公式はMOHAAでも通用するだろうか?



■OBJ形式における攻撃側と守備側

遺憾ながら、ランチェスター方式は元々空中戦における公式をして開発された。
MOHAAのような室内戦においては、また異なる結果が得られるというのがCASTER独自の解釈である。


今回は、MOHAA-OBJ-MAPにおいて馴染み深い「V2」MAPを舞台として考察していきたいと思う。

OBJにおいて、優位なのは、当然ながら守備側である枢軸である。
これは、実際の戦闘とは異なる。

実際の戦闘においては、攻撃側が主導権を握る戦いが多い。
なぜなら、攻撃側は自分の選んだ攻撃口から攻撃を始められるのに対して、守備側はいかなる攻撃にも対応できるよう、考えられる全ての攻撃口にたいして守備網をしかなければならないからだ。

しかし、MOHAAなど、ほとんどのFPSゲームにおいては、これは当てはまらない。
攻撃側の攻撃口は限られているし、守備側はどこから敵がくるかを最初からわかって守備網をしくことになる。
すなわち、守備側はその地形をフル活用して守備することが可能なのだ。
これが攻撃側絶対不利となって現れる。

もし、攻撃口が2つあり、SPAWNポイントを連合側が選べるゲームだったとしたら、あそこまでの守備側絶対有利なものにはならなかったであろう。

CSSのdust2を考えよう。
SPAWNポイントは1つであるが、目的とするOBJが完全に離れた箇所にあり、守備側はどちらに重点をおいて守備するべきかはわからない状況で始まる。
上に書いたのとは多少異なるが、
「守備側が守備すべき箇所を選択しなくてはならない」
という点において、MOHAAよりは攻撃側の不利さが改善されている。



■連合側によるV2突破法

さて、ここでは連合側からみたV2突破法を考察したいと思う。
突破方法は全体の人数においてかなり異なる。
もちろん、クラン戦などの実情から、敵と味方は同数として考察するが、これが5v5であるか、10v10であるか、によって、攻略方法はかなり異なるのだ。




■5v5戦闘

ここで大事な点は、枢軸が5人では
「守備すべき全てのポイントに守備兵を配置できない」
点にある。

しかし、当然ながら枢軸側も最低限必要なポイントには兵を配置してくるだろう。
連合進入口左の垂直ハシゴの上、進入口右の地下へ続くはしご近辺には、当然敵兵が待ち伏せしているものとして考える必要がある。

CASTERは、この5v5戦闘くらいの規模の戦いをもっとも好む。
CASTERがV2で高スコアをはじき出した戦闘があったとしたら、ほとんどがこれくらいの小規模戦闘だったと思う。


V2でこのような状況下で戦闘が始まったとしたら、CASTERのとるべき行動は大概決まっている。


連合進入口左の「マニュアルでは開けてはいけない右側のトビラ」を開き、
トラックの右側を駆け抜けて、一気にV2ロケットのある広場まで行くのである。

そして、そこから2Fへ上り、はしごを見張っている枢軸兵などを後方から襲撃するのである。


これは非常に成功率が高い。
ほとんど、無傷で3〜4人を葬れることだろう。


なぜなら、戦闘初期状態において、枢軸側は2Fまで敵兵が来ているとは考えにくいからだ。
枢軸の基本的な考え方として、
「連合を2Fへあげない」
というものがある。
これは正しい。

だからこそ、垂直ハシゴや螺旋階段、連合右側侵入口というこの3つの死守拠点に兵を配置するのだ。


しかし、5v5戦闘でこれら全てを守備しようとすると、どうしてもV2ロケットのある広場までは手が回らない。
10v10戦闘だと、必ず1〜2名の狙撃手が箱の後ろなり、コンパネ横の欄干などに陣取っていることだろう。


つまり、5v5戦闘においては、枢軸は、連合の進入口を全て守備するのは不可能という点が重要である。
攻撃側は攻撃口を自由に選ぶことが可能であり、優秀な指揮官がTSによる指揮をとって、5人全員による突撃を敢行すれば、主導権を握るのは連合側ということになる。



〜余談〜
敵が全員UBCSの古参兵だった場合、連合右側からの単独潜入が可能なことがある。
これはマニュアルによって
「UBCS隊員は全員連合左口からやってくる」
と思い込んでいるからである。
時には連合右側に枢軸兵が一人もいないこともある。
マニュアル化された弊害ともいえる。
が、普通のクラン戦ではもちろん通用しない方法ではあるw



■10v10戦闘

この場合では、枢軸は全ての守備拠点に兵を配置していると考えるべきである。
攻撃側としては、網を張られている箇所に自ら飛び込んでいくこととなる。

当然、攻撃側としては、戦力を分散すべきではない。


一点集中して攻撃口を決定するか、膠着状態で少しずつ敵数を削るしかないだろう。
しかし、いわゆるクランの「エース」たるプレイヤーが混戦の中で不慮に撃たれることが多いのがこの10v10戦闘の特徴であり、あまりに多くのバイアスがかかってくるため、一概に記すことはできない。



しかし、人数比を考察するうえで重要なのは、その比は戦闘経過によって刻々と変化していくことにある。


その変化は戦闘終了時まで続くのだが、一番重要なのは、最初の接触における変化である。
例えば、最初の段階、10v10の段階においては、連合側は基本的に、同数であるにもかかわらず多少の不利性を感じているはずだ。
その理由は上記を参照してもらえらばよい。

しかし、最初の接触、すなわち連合左進入口における、トラック横、上下の戦闘でその比率が連合9v枢軸6と変化した場合、多少、心に余裕が生まれるはずだ。
隊長による全員突撃命令が下されるのは、基本的にこの局面である。




この心の余裕、すなわち士気の変化こそが、多人数戦闘において決定的に重要な要因である。




もし、逆に連合6v枢軸9と撃ち減らされてしまった場合、士気は愕然と下がる。
まず突破口が見出せない。
枢軸防御網はいまだ健在であるにもかかわらず、連合側としては決定的に数が少ない。
つまり、指揮官も突撃命令を下せない。


最初の接触によってその戦闘の勝敗は8〜9割方決定されるといっても過言ではない。
この段階で数的不利に陥った攻撃側は、前進することもできずに膠着状態に陥り、少しずつ数を減らされていくのである。

そして最終的には枢軸側の一斉突撃、もしくは逆側からの(連合右側からの)枢軸突撃によって全滅するのである。


これはほかのMAPにおいても同様である。
「狐狩り」において、数的不利に陥った連合はどうなるか?もしくはこれまでどうなってきたか?
思い出してほしい。

あの一番開けたポイント、枢軸正面のトーチカと側面の2Fからの十字砲火を食らいえるあのポイントを強行突破できずに、各個撃破されていったはずだ。

この数的不利状態。圧倒的な攻撃側の不利状態をもし、打開できるとすれば、もしくは今まで打開してきた局面を考えてみれば、



そこには常に腕のいい狙撃手がいたはずである。



最初の接触において減らされた味方の損失を補える、味方の数を減らさずに敵を減らせられる唯一の存在である。



■数の優位性とHP

数の優位性が与える士気の影響はすでに述べた。
ここから得た教訓として、各員が心にとどめておいてほしいのは、
「HPが減った隊員を大事に行動する」
である。

残りHPが例え1であっても、それは敵兵にはわからない。
ただ、敵兵が1人存在する、ということでしか敵には認識されないのである。


それだけで敵全体に与える印象は変わってくるし、敵の守り方まで変わってくる。
「もぅHPが少なくなったから、どうせ死ぬし、どうでもいいや、突撃しよう」
最も間違った考え方だし、味方に迷惑をかける考え方だといえよう。


HPが少なくなった人を突撃させて撃たれてるすきに自らがフラグを稼ぐというのは、
CASTERとmisotomo氏の関係だけで十分だということだ。